確信に変わる時

二年くらい前までは短かった髪

 

少しずつ伸ばしてミックジャガーみたいにしようと思っていた長さをいつの間にか通り越し

今では初対面の人にキリストと呼ばれるまでになった

 

神の領域に達したのだ

 

だが心に引っかかるものがある

 

本当にオレは長髪と呼べるまでになったのか?

いや、たかが肩まで達しただけの中途半端なメディア操作されたナンパ野郎ではないのか?

 

そんなある日、新宿で座って絵を描いていたオレの後ろから何やらこちらに

話しかけてきそうな会話が聞いて取れた

酔っぱらいの予感がしたので面倒だなと思いながら描いていたら

一人が横から話しかけてきた

 

そしてこう言われた

 

君メタル好き?

 

僕は無視した

 

だけれどまたメタルが好きなのか聞いてくる

 

しかし何度も聞いてくる熱意に僕と彼との間に築き上げられたベルリンの壁ならぬ新宿の壁は崩壊し

僕は声の主を見た

 

ブリーチされたロングヘアーがしゃがんでこっちを見ている

その横にスレイヤーTシャツ

もう一人はドラマー体型

 

パンクが好きだと言ったらラモーンズ?と聞かれたのでそうだと言った

メタリカが好きだとは言わなかった

よくよく話を聞いてみると彼らは僕の髪が長いという理由だけで仲間ではないかと思い込み

僕に話しかけてきたのだった

何気ない会話の中にも音楽への尊敬の念が伝わってきて楽しいひとときだった

 

だがこの何気ない出会いは僕にとって重大な事実を隠し持っていた

 

 

長髪のメタル好き+そのメタル好きがメタル好きではないかと推測する程の髪の長さ=

 

 

心に引っかかっていた問題

本当にオレは長髪と呼べるまでになったのか?

あの時の声の主は僕にとってまさにメシアとなり

不安は確信へと変わったのだった